雨水利用と緑化を進める会

理事長の挨拶

臼井章二 理事長
 地球人口は今から100年程前にはわすか13億人余りでしたが、今や62億人に増加し、今後10年後には70億人を超えると予想されております。人口の爆発的な増加と先進国を中心とする化石エネルギーの大量消費により、地球温暖化が進行し、異常気象、大洪水や干ばつ、砂漠化、海面上昇による国の水没、環境難民の発生など人類史上これまでに経験したことのない事態が発生しつつあります。一方、現在発見されている資源の状況下では食料生産も工業生産も2010年から2020年にピークを迎え、資源不足によりその後は生産能力が落ちる危機的な状況にあると予測されています。このままでは、地球は回復不可能になってしまいます。
 このような危機下にある私たちは今こそ、地球環境を改善するために生活様式や組織・企業の活動を再構築することが不可欠なのではないでしょうか。
 その効果的なことのひとつとして、我々一人一人身近で取り組める雨水利用建物緑化があります。
 「空気と水と安全はタダである」と我々日本人は生活してきました。近年そのどれもが危うくなってまいりました。気候変動で降る時期に降水無く、あると思えば集中豪雨であります。最近の日本は水不足で渇水が続くと、役所の方々は節水のお願いとか、地域での断水が発表され、我々は不自由な思いをすることになります。ですが考えようによっては、日頃あまり関心のない水資源、雨水利用の必要性について考えていただける機会でもある訳です。激増する水の需要を満たすための方法として、既存の水道供給を大切に使用するか、新しく水源を開発するかのどちらかと考えます。現在都会での水供給は、遠く離れた山奥のダムからの供給であるが、この先人口が減少するし、企業の節水努力もあり、水需要が減少しつつあります。もうこれ以上巨額の費用をかけ、環境破壊までしてのダム開発は不必要である。雨は山村にも都市にも同じように降ってきます。都市に降る雨を有効に利用し、水源を確保すれば良いと思われます。
 雨水利用をするには、屋根などから樋を通り集水するわけですが、日本の建築物は、改めて設備しなくてもすでに設置してあるので、貯留用のタンクさえ新設すればすぐ利用でき、費用も負担が少なくてすむ訳です。
 手間暇かけて飲めるまでにした貴重な水を、トイレの流し水に使用していることが当たり前に洗脳されてしまった生活を見直し、地球上のたった1%の限られた淡水を有効利用する為にも、雨水を利用し生活雑用水に活用致しましょう。
 雨水タンクが身近にあるということは、緊急時の非常防火用に、地震や渇水時のときには一時しのぎの飲料水として役立てることができます。また、大雨の時の治水対策や、下水道の負荷もはかられます。メリットの多い雨水利用、今すぐ実行しようではありませんか。



日本における大型建物施設への雨水利用のルーツ

 日本経済、高度成長の真っ只中、「雨水利用」という言葉さえなく、ましてや手本となる文献や事例はまったくなかったころ、1965年ごろから雨水をトイレの流し水や、庭木の散水等に活用した。その後1980年には、雨水を自宅建物地下を利用して貯留し、生化学的処理を施し、鉱物を活用して飲用までこぎつけ、家庭で使用する水はすべて雨水で生活ができるようにした。建物施設としては最初であったと記憶する。
 高度成長のため、全国的な都市開発により、雨が降るたびに都市での洪水が頻繁に発生するので、都市洪水の抑制の目的と施設来場者のトイレの流し水、建物外部の散水、災害時の消火用の水等に、中水として再利用できることを名古屋市に提案。それがきっかけとなり、1984年に私の家に下水道局職員の視察があり、それを元に名古屋市笠寺地区のレインボーホール建築での雨水利用の活用方法が取り入れられた。その頃にはまだ全国的にも大型公共施設への雨水利用はなかったと記憶する。
 1987年3月に完成した名古屋市レインボーホールのドーム形式大型公共施設の雨水利用は全国的にも珍しく、行政の視察が多かった。
そんな時、東京墨田区地区は雨が降るたびに下水道が逆流する、いわゆる典型的な都市型洪水が頻繁に発生する問題を抱えていた。その対策に苦労し紛争していたのは墨田区保健所職員の村瀬誠氏(現墨田区役所環境対策課職員)であった。急遽、完成した名古屋市のレインボーホールの施設見学となり来訪され、名古屋市下水道局職員の案内で視察された。後に彼の提案と熱意により、当時建設中の両国国技館に雨水利用としての提案設計変更が認められ、導入が実現されたのである。その後、異常気候による渇水と洪水対策が相次ぎ、全国の大型公共施設への水資源の必要性から雨水利用として展開していったわけである。



会の活動

1.情報誌を随時発行
  ・環境問題、自然エネルギーの情報
  ・会員相互の情報交換の場です。あなたからの発信情報を記載します。
2.勉強会、研究会、講演会の開催
  皆様方の地域での開催を期待します。
3.雨水タンク、設備機器等、割安に斡旋しています。
4.雨水利用や建物緑化の方法などわかりやすく指導しています。
5.自治体や関連業界に対し、積極的に提言活動を行います。
6.国内外のNGO、NPOとの交流、情報交換を積極的に行い提言活動を行います。